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1. その日、昼食前に恭介から一通のメールが届いた。 『遂に俺も就職が決まったぜ!! なんとあのゲーム会社k○yだ!!』 …ああそうか、今日は4月1日だっけ… 「恭介の就職が決まったって!」 一応他の皆の反応も聞いてみる事にする。 「何いっっ!!?」「本当かっ!?」 幼馴染の男2名は身を乗り出さんばかりに驚いていたけれど。 「…今日は4月1日ですね、つまりエイプリルフールという事ですか」 西園さんがそうつぶやいたのをきっかけに、 「何だよ、嘘かよ」「少しは期待して損したようだ」「わふぅ、じょーくでしたか…」 「ギャグだとしてもちょっとイタいですネ」「あまり良い冗談とは言えんな」「冗談にしても面白くはないわね」 …あっさり容赦無い評価が下された。 「うーん、ちょっと恭介さんが可哀想じゃないかなぁ?」 小毬さんがフォローしようとしたけれど、 「じゃあこまりちゃんは、あの馬鹿がほんとに就職を決めたっていうのか?」 「えぇぇと…、そうだ、クッキーが余ってるけど、みんな食べませんかー?」 鈴は実の兄をまるで信用していないようで、小毬さんもあっさりあきらめてしまった。結局信じた人は誰もいなかったようだ。 「…一応返信はしておくね」 『誰も信じてなかったよ、エイプリルフールにしてもちょっとキツイんじゃない?』と送信しておいた。 すると、その直後、慌しい足音がして、 「おいおいお前ら、誰も全く信じないとはどういう事だよ!?」 食堂の扉が大きく開け放たれると共に、卒業したはずの恭介が現れた。 「…いや、いくらなんでもk○yはないでしょ、エイプリルフールだからってネタに走ったのは分かるけどさ…」 僕がそう言うと、恭介は乾いた笑い声を上げながら、 「ははっ、そうさ、周りの連中が今日から進学なり就職なりで新しい道に進むってのに 俺だけ1人宙に浮いた状況に絶望してせめてネタに走ろうとして盛大に滑ったさ、 滑稽だろ、惨めだろ、笑いたきゃ笑えよ、笑えば良いだろう、あっはっはっは」 「ちょっと、あたしの持ちネタパクんないでくれる!?」 …何かもう哀れすぎて他に声を掛けられず、恭介はその後佳奈多さんに、 「卒業生は寮内に入って来ないように」と追い出されてしまった。 それにしても恭介、これから大丈夫なのかなあ… -------------------------------------------------------------------------------- 2. そんな慌しい出来事があって、一息ついた後。 「ところで理樹君、実は今日は下着を着けていないんだ」 ぶふぉぉッッ!! …盛大にお茶を吹いてしまった。 「ゲホッ、ガホッ、いやそれも冗談ですよね!?」 しかし来ヶ谷さんは大胆にも胸元を広げるような仕草で迫って来て、 「私はいつでも本気さ。何なら確かめてみるかね?」 「いやいや謹んで遠慮しますから! 周りの目がありますから!」 「ふむ、それは二人っきりの時にしっぽりむふふといってやるぜ的な意味かな? まあ取り敢えずこれは置いておくよ。 しかしエイプリルフールの冗談というなら、今朝ちょっとしたメールを出しておいたんだが」 そう言って、視線を向けた先には。 「ふぇ? メールって、…もしかして、『今日一日下着無しで過ごすと大幅に運勢アップ!』って…」 …小毬さん、そんなベタなネタに引っかかったのかっ。もしかして、今はノーブラで、スカートの下も…? 「ふわああぁぁん、すぐ着替えてくるううぅぅ」 スカートを抑えながら駆け出して行ってしまった。やはり穿いてなかったのかっ! 「ああ可愛い… おや理樹君、どうやら私の時よりも興味津々のようだが?」 「いやいや、可哀想だから程々にしてあげてよね…」 しかし来ヶ谷さんの被害者は1人だけではなかったようで、 「あの…、『胸を大きくする為には普段から大きいサイズのブラをつけて慣れておくべきだ』というのも、 実はじょーくなんでしょうか…」 かなり困惑した様子のクドの胸部は、不自然なほど盛り上がっていた。 --------------------------------------------------------------------------------

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